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はじめに
プリンシプル・コンサルティング・グループという次世代組織を紐解く 内発的動機に基づくオジサンとオバサンの組織形成原理
第1章 勝つことが大事な組織の終焉イラスト1-1

 20世紀後半の最高の経営者の一人と言われるGEのジャックウェルチ氏は、ビジネス人生を振りかえった自伝に“ウィニング”というタイトルをつけました。
 ビジネスはいつも野球やサッカーなどに例えられ、相手に勝つことを第一の価値とする考え方が経済界を支配してきたのです。そして勝者には、経済的、社会的な報酬がもたらされました。簡単にいうと“頑張って勝ったら得するよ”がゲームのルールだったわけです。



戦いは企業間にもあり、社員間にもありました。イラスト1-2

 欧米などと比べると日本のルールは独特で、護送船団方式など、一定以上のつぶし合いは行われない仕組みが作られていました。個人間においても、実際には同期入社者間以外には戦っておらず、勝ってもたらされる金銭的な報酬の差はそれほどでもありませんでした。 



その反面、意味的な報酬の差は大きいものでした。イラスト1-3

 大手数社による非公式の会合のようなものが業界全体の意思決定を行い、中堅企業や下請け企業に働く人との格差は、本来関係のない私生活にまで影響を及ぼしました。
 個人間では、外部向けには肩書きの工夫(例:「人事部長」と「人事部 部長」の違い)で、勝者と敗者の差をわからないように見せながらも、社内的にはそれらの差異に大きな意味を持たせていました。
 名刺の微妙な違い、肘掛のあるなし、袖机のあるなし、会議に参加できる人と出来ない人、わずか数百円の給与の違い…等、それらの微妙な一つひとつの違いに意味があり、それが表だって言明されないが故に、かえって社員の強い関心を呼び、その差があたかも全人格的な差であるような空気が作りだされていたのです。
 会社はこれらへの関心を前提に、社員の潜在意識に巧みに働きかけ、落ちこぼれへの恐怖と優越感の付与という道具で、会社への貢献を引き出してきたのです。


勝負の世界に感心を持たない人たちの増大イラスト2-1

 一方、勝負の世界観にあまり関心を持たない人たちもいました。社内での出世競争や競合への勝利よりも、仕事そのものの深みや拡がり、新しい知見の創出、技術の深まりなどに大きな満足を得る人たちです。

 彼らは、勝ち負けでは、生の躍動感を感じることができない半面で、顧客の難問を解決することに喜び、深い技能が積み重ねられていくことに興奮し、智恵の体系を構築するための苦悩の中で見つけたヒントに幸福のかけらを感じます。誰でもできる仕事を2倍早くやるとか、儲かっても挑戦する局面が少ないような仕事は、ただの作業です。深めることへの理解が無く、勝つしか興味のない上司とともに仕事をやるのは、ただの苦痛です。



これまで、こういった人たちは会社の中の少数派でした。イラスト2-2

 なぜなら内発的動機の対象がいまだ明確に形成されず、外部からのインセンティブによって方向づけられないと動けない年齢の若い人たちが圧倒的に多数派だったからです。
 自己探求的な働き方をする人はいたものの、“名物おじさん(または変人)”といった位置づけでした。
 そんなことから、多くの会社の組織が、勝利至上主義のウェルチ的価値観で構成されていることにも十分な合理性があったのです。
 しかし、すでに日本企業およびその社員はすでに十分に成熟しています。長年の仕事の経験をもとに、自分なりに好きな領域や深めてみたいことがかなり明確になっていますし、無理な競争による差異や、落ちこぼれの恐怖によって、コントロールされることの無意味さを知っているのです。
 少なくとも、今後も参加し続ける価値のあるゲームかどうかについては、多くの人が疑問を持っていることでしょう。



そして、この疑問は、もっと若い世代にも確実に伝染しています。イラスト2-3

 このような環境下で、勝ち負けを中心とするこれまでの組織形成原理を続ける期待収益率はいかほどのものなのでしょうか? 勝ち負けを今後も形成原理として使用し続けることに合理性はあるのでしょうか?
 私は、商品特性や会社の年齢構成によっては、まだまだ勝利至上主義の賞味期限は切れていないとは思いますし、グローバル化の進展の中で、過去の日本と同様の年齢構成である外国の状況を考えると、形を変えてさらに強めたほうが良い企業すらあることを認めます。
 しかし、日本国内での主要となる組織形成原理は、すでに変えるべきではないかと考えています。
 “内なる声に忠実に生きてみたい成熟したオジサンやオバサン”がマジョリティとなった社会(会社)には、これまでとは異なる組織形成原理が求められていると思うのです。


第3章 個人が好きなことをやるための場としての組織プリンシプル・コンサルティング・グループのプリンシプル 1.自助努力 2.連携 3.正直かつ率直 4.ポジティブ 5.基準を高くもつ

 内発的動機に基づく組織の形成原理。具体的にはどのようなイメージなのでしょうか。私は勝手に以下のように考えています。

◆発見の喜び、より深まる感じ、新しい智恵を共有する喜び。自らのしたいこと、やりたいことに日々取り組むことによって、熱狂し、心躍り、人が動き、社会が動く感じ。
(オタクの世界観に近いかもしれません。)


◆同じ行動原則や思考原則を持つ人間が、場を共有し、自立した個でありながら、お互いに積極的に連携し合い、切磋琢磨していく。


◆同じ種が上下の関係で存在するのではなく、関連し、隣接し、補完関係にあるような業務を行う人間たちが、互いに異なった視覚からの会話(会議ではない)を続ける環境。


◆上下の階層ではなく棲み分けによる組織化。


◆社内の他者からの評価を気にすることなく、顧客への貢献や自分の興味関心を深めていくために、つねに自己を客観的に見つめ、研鑽を続けることを支援する環境。

 こんな考えを現実のものとすべく、プリンシプル・コンサルティング・グループは設立されました。プリンシプルとは原理原則であり、プリンシプル・コンサルティング・グループとは、右記のような行動原則、思考原則を持つメンバーが集まる場です。



第4章 プリンシプル(原理原則)の実践イラスト4-1

 すべての基本は、個々人の経済的自立です。そのためには、お客様から声がかかる実力を持つことが重要ですし、個々人が成果を出すべく自助努力をすることが大原則です。
 弊社グループでは、独立採算性を引いており、当人の経済的報酬は、当人の生み出した経済的価値にほぼリンクする形で、ほぼ即時払いで支払われる仕組みを取っています。
 個々人は自分の得意な領域においてはそれなりの力はあっても、顧客の問題解決を進めていくためには、関連領域での手助けが必要となることも多いのです。そこで、他のメンバーとは積極的に協力しあい、問題解決力の向上を図ります。同時に、顧客先の紹介などを通じて、ビジネスの機会を増やすことが可能になります。グループとしても、挑戦する場の創造≒顧客を獲得する活動の支援を行っていきます。



たがいに刺激しあいながら自分自身を成長させていく。イラスト4-2

 弊社グループでは、誰かの評価によって報酬額が決まるといったこともありませんし、他者と比較されることもありません。内部的に巧く立ち回って仕事をしているように見せるといったことは、まったく不要です。常に大事なのは、自分です。
 自己の能力やコンディションをしっかりと把握し、失敗はそのままに受け入れて力の無さを自覚し、他のメンバーには在りのままの自分を見せながらも、皆で刺激しあいながら自分自身を成長させていくのです。
 常にポジティブに環境と接することは、毎日を楽しくし、自分のやりたいことを実現するうえでとても大事なことです。不運に襲われたり、実力が伴わずに良い仕事ができないこともありますが、そんな時もそのまま受け入れて、めげることなく、積極的に環境とかかわっていくことで自分を向上させていきます。



そしてもっとも重要なのは、基準を高くすること。イラスト4-3

 まずは、顧客視点からの基準を満たすことに全力を尽くします。顧客満足が無ければ次のチャンスはありません。次が無いということは、さらなる深みを覗くチャンスすら無くなると言うことでもあります。
 さらに、自分ならではの満足基準に常に挑戦します。自分の満足軸を加えた独自の基準を設定し、遂行するのです。その結果、場合によっては、お客様からいただく報酬と実際の仕事量が比例しないこともあるでしょうが、それで良いのです。
 自分の満足のために、余分に考えたことや発見したことは、長期的には必ずなんらかの役に立ちますし、毎日が楽しく、活き活きとしたものになるための糧になります。
(もちろん食べていけるだけの稼ぎは必要なので、そこは考慮しなくてはいけませんが…)



共感しあう仲間に囲まれて毎日を過ごす幸せイラスト4-4

 私たちは、互いに関連する事業を行っており、また同様の価値観を持っているので、深みの喜びや面白さについては高いレベルで共有、共感できる集団です。
 仕事の内容や成果は、守秘義務を考慮したうえで、積極的に自慢しあいます。大きな金額の受注だからといって尊敬される風土はありません。その質感の良さ、取組手法の面白さや、新しい発見こそが重要です。週に一度だけ行われるミーティング(お茶会)では、各種の領域での興味深い話が繰り広げられます。

 このように共感しあう仲間に囲まれて毎日を過ごす幸せ感というのはなかなかのものです。社外の仲間たちとも協働しながら、自分たちの生存領域を確保し、自律した生態系を作りだしていきたいと考えています。


第5章 “空想的”会社主義の現実化イラスト5-1

 ここまで、弊社グループの組織形成原理について述べてきました。普通とは少し違うかもしれませんが、私たちの事業を推進していく上ではかなり合理的な仕組みになっています。
 あらゆる業態の会社がこんな形で運営するのは難しいでしょうし、それが正解でもないでしょう。私たち自身も、安定的に社会に定着できる存在になれるかどうかもわかりません。“空想的会社主義”として笑われておしまいになる可能性もあります。


 とはいえ、ちょっと変わった、既存の会社にはない、理想の職場を創っていく密やかな楽しみをしばらくは続けてみようと思っています。うまくいかなければ、またやり直せばよいのですし。


プリンシプル・コンサルティング グループ代表
秋山 進